老いたペンギンのメモ/由比良 倖
 
に感謝していいか分からないくらい嬉しい気持ちでいる。

僕の生活は、だからとてもシンプルだ。語学と文学と音楽だけ。他の社会的義務からは今、解放されているどころか、障害者年金を貰っている。もっとも、ありがちなこととして、僕宛の年金が、何故か親を経由して僕に渡されるので、使うたびに親にお伺いを立てなくてはならない、というちぐはぐなことが起こっているのだけれども、それ以上に僕の過去現在の生存費にどれだけ掛かったか、と言われると争う気になれない。多分僕なんかは自由な方で、月に一万五千円ほどなら、小遣いとして使えて、それで一年前に受給し始めてから、ウクレレと万年筆とヘッドホンを買った。今は猛烈に本が欲し
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