真似事――破れた包装紙/
ただのみきや
夕間暮れ猫の背中に枯れ松葉
急かされて織った錦もすぐに褪せ
着込んでも埋まらぬ寒さ真中から
冷え切った心に燗酒注ごうか
鏡見て映る虚像を値踏みする
きみは胸に放たれたブラックバス
同じ風受けて別れる傘と帆と
茶碗割れ買った経緯(いきさつ)思い出す
切れた緒を結ぶ想いと解く願い
《真似事――破れた包装紙:2019年10月19日》
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