残酷という花嫁/こたきひろし
りたいの」
それを言った途端、母親は怒りが爆発して瞬間、手が娘の頬を叩いていた
叩かれて娘は泣き出した
「あんたそんな身勝手我が儘が通るほど世の中甘くないわよ!」
母親は冷静さをすっかり失ってしまっていた「もう結婚の日取り決まってるのよ。後戻りは出来ないから!」
「何でもいいから結婚式をあげればいいの。そして新婚生活送ればそのうちに気持ちなんて変わるから!」
ほぼ暴言に近い言葉を吐いた
「イヤよそんなの!」
泣いてる場合じゃなかった
娘は強く拒否した
すると母親は声のトーンを落としてなだめるように言った
「馬鹿だねお前は、直前で破談にしたら責任取らなければならなくなるんだよ。慰謝料とか掛かった費用をこっちで払わなければなくなるよ。下手をしたら訴えられて裁判沙汰になるかもしれない。まして他に男がいると分かったら結婚詐欺にされて逮捕されないとも限らないよ。そうなったら嫌だろお前だって?もしそうなったらお前の人生終わりだよ」
と悪魔が囁くように母親は言い「あの男とは別れなさい。夢ばかり追いかけている男なんてどうせクズなんだから」
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