真っ白な紙、塗れば絵、綴れば詩。/ホロウ・シカエルボク
のを信じ過ぎると生きものとしてはそこで止まってしまう、それを語り続けるためだけの自分になってしまう、いいかい、大切なのは結論じゃない、いまここでなにを手にしているのかということを洗いざらい語ることさ、そうやって誰かを、自分を上手く騙してやるのさ、俺たちは生きものとしては少々厄介なものを抱え過ぎているんだよ、なにしろ吠えるにせよ噛みつくにせよ、ある程度の手続きというものが必要になるんだからね―やり方を間違えたら笑われておしまいさ、本能を、野性を、その内に秘めたままどんなふうにして生きていくのか―きっとそんなもののためにこうした嘘が必要なのさ、獣のように生きることは出来ないけれど、獣のような誇りはまだ胸の中で赤々と燃え盛っているのだもの。
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