或る詩人への追悼詩/服部 剛
後に
家路に向かう一人の道で
空に浮かぶ ? の文字に問われ
僕は答える
詩人(うたびと)は言葉を求めて、旅をする
今日を積み重ね…歩いてゆく
ふり返る背後に道があるように
いつか 光のなかで人影が肩を並べる
言葉の宴(うたげ)で会う日まで
僕はこの世界で
人と人の間に宿る宇宙を探す
?9さいの詩人?の
優しさと痛みとまなざしを忘れずに
――では、また
去りゆくあなたの瞳を見て
僕は右手をそっとあげる
*ともちゃん9さいと出逢ったのは二十年前のオープンマイクでした。
個人的にゆっくり話すことはありませんでしたが、
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