火照り/すいせい
 
「やさしいえがおを
「みせて それぞれの
「こきゅうで
「めぶくことの
「そのおそれを
もちろんさらしながら
「とうめいに
「とうめいになればいいと
喉の奥に植え付けて
むすうの保護林が 伸びていく
わたしたちは
ゆびきりしている
わかることは
ざいあく なのだ
そのいろは なに
ふるゆきは
ふれるまま
国境を越えることが
できなかった
私たちの約束が
静かに 彫像となる
五本の指を全て失い
膨らみかけた胸に
沈黙を植林されて
なにを護るでもなく護り続けている
花はゆきのいろにさく





それは病気ですか
それは病気です
うごかなくなったもの と
うごきだしたものが
若い月齢にてらされる
半分はかげで
半分はひかり
同じ方向をみていても
ちがう ことをしっている
そらが
青かった試しはなく
とりが
歌ったことはない
ただ
ゆきだけがふりつづける
あがないの ほてりに
亡霊のように
同じ方向をみている





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