関ヶ原/
日比津 開
も厳しい
塗炭の苦しみを味わったに違いない
それを思うと勝者の凱歌は
歓喜の内に聞けなくなる
ときは流れ、いま関ヶ原にも
実りの秋、それに続く紅葉の季節が
訪れようとしている
古戦場には多くの人が訪れ
華やかな戦場絵巻を真似て
祭りに参加する
だが、その人たちの中には
敗者の子孫もいるのかも知れない
関ヶ原 ー 勝者と敗者を分け
国中の人々の運命を決めたところ
そこに眠る死者たちに
慰め、平安あれと願いながら
今日、ここを歩く
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