星砂の手紙/
小池房枝
星砂の手紙を
ひとに送ったことがあります
便せんを折って
さらさらと封筒に注いで
指先かすかに潮と日差しの匂い
やがて返事が来ましたが
便せんにささっていたとか
ぶちまけて掃除する羽目になったとか
一番やさしい物言いでは
次からはちゃんと袋に入れてねと
星砂は化石ではなく
今を生きているものたちの亡き骸です
砂浜を作り
地圏と水圏の循環を担うものたち
人からの贈り名をバキュロジプシナ
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