クララ、貴女に会いたい/日比津 開
音楽史上、最も有名なエピソードの1つ
貴女ークララとロベルト・シューマンとの恋愛、結婚
そして夫亡き後のヨハネス・ブラームスとの謎の関係
数年前、僕は貴女が主人公の映画を観た
オープニングは、夫のピアノ協奏曲を演奏会で弾き
拍手喝采を浴びるところからはじまる
物語が進んでいき、デュッセルドルフの
オーケストラの音楽監督に迎えられた夫が
次第に病んでいく中で
貴女が夫に代わり
オーケストラにリハーサルを付け
それが成功したとき
幸せ一杯になって草原に駆け出し、
寝転んだ場面を覚えている
確かリハーサルの曲は夫の作品
交響曲第3番「ライン」だった
そこに青年
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