10/6(日) 曇り/山人
前ぶれもなくざわめき、ふるえ
雑用の手を止めて
窓ガラスの向こうの外側に向かってつぶやいていた
上手に作った紙飛行機がすんなり空気をつかんで
ひとしきり空の空気を楽しみ
決して落ちることなく
そのまま風を捉えて進むイメージ
風が衰え
冬へのいざないのための草草が会話を失い
おもいおもいの形で土の上に立っていた
わたしはまた草になり
湿度で飽和した黒土をながめている
平和過ぎた体内都市の治安はやはり破られたのだった
母艦の祈りは無碍にうしなわれ
電流が流れだして
私の筋肉を乱していた
いっそこのまま雨となって
あきらめに疲れた雨音の声を
永遠に聞いていたかった
日曜の朝
また粘液の様なくもりぞらが
飛行船のように空に浮かんでいる
いくぶん、体内都市は
平和を取り戻しているかのようであるが。
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