後から悔やむから後悔って言ううんだ/こたきひろし
晴らしていたんだろうな
俺は正直嫌いだった
だから一刻も早く家をでてしまいたかったんだ
逃げ出したかったんだよ
血と肉を分けた子供らみんな
そうだったんじゃないかな
不思議とお互いそれを口に出した事なかったけどさ
そんななかでも
いちばん可哀想に思えたのは母親だった
年がら年中ぐちぐちと言われ続けるばかりだけならまだしも、直ぐに手を出してはばからないんだから
よく耐えていられるなって思ってた
それが大人になって
相手を見つけて所帯もって、曲がりなりに夫婦の機微がわかるようになったら
男と女の事は
外見だけじゃあ解らないんだなって事に気づいたよ
母親
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)