罪深きは/坂本瞳子
罪悪感とは
苦しいものだ
拭うこともできず
ひた隠しにしようと試み
時間が過ぎても消し去ることはできず
たまに忘れたふりさえする
心の片隅に小さな穴が空いていて
その中を覗き見ると
罪悪が溢れんばかりに蠢いている
普段は蓋を閉めているからいいけれど
実に狡猾に
溢れんばかりの罪悪感と
うまい付き合い方など覚えてしまったら
もう真っ当な道には戻って来れないだろう
それはそれでいいのかもしれない
虚しさをこの胸一杯に抱えて
笑顔を忘れてただ時を過ごすのならば
そのうち飲み込まれてしまえばいいんだ
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