秋/
言狐
馴れ馴れしく話しかけてきた空が
ぼくに飽きて離れたことに安心していた。
ひとりになったぼくは、青い朝が街にひっそりと
カーテンを少しだけあける頃、急に毛布が恋しくなる。
だけれども、冷たくあしらわれてしまった。
そんな些細なことに臍を曲げ
街へ出てみると、よそよそしい空気が肌に触れる。
居場所を探してまわりを見回すと
近く冬に色めき立つ木々がいちいち目に付く。
どこまでも孤独な季節だな、と独りごちた。
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