ぜんぜん面白くない/こたきひろし
 
ればならないのだ

こんなの文字にしても
ぜんぜん面白くない

詩としては評価される訳がない

ぜんぜん面白くないから

リアル過ぎて笑って貰えないだろう
リアル過ぎて涙も頂戴できないだろう

オッサンの悲痛な叫びは
聞きたくないだろうから

読み手は芸術を求めてさ迷っているんだからさ

車で通勤する毎日
家の近くの畑と畑の間の細い道
片側の畑が切れると土手があらわれて 雑草が鬱蒼と生い茂っていた
土手から車が転落しかねないぎりぎりの幅だった
何だか私の人生を暗示している

そこは坂になっていた
すぐ先に左側に登る急勾配の道があって
四軒の建て売り住宅の共有になっていた

道は四軒の家の駐車場にそれぞれ繋がっていて
私の家と隣の家で道は行きどまっている

そこまで辿り着く途中の雑草を混じって
所々
彼岸花が咲いている
別名曼珠沙華が咲いていた

この胸の中が切り裂かれるほどに
赤く赤く咲いているのだ


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