キツネと白鳥の子/丘白月
してあげた
生まれたひな鳥は
キツネを母親だと思った
生まれてからは
まだ飛べない雛のために
餌を取りに出かけるようになった
カラスがやって来て言った
「おや可愛い子だね
なんだか親子のようじゃないか」
「ねえとっと教えてよ
ひな鳥は何を食べさせればいいの?」
それから
カラスの手助けもあって
白鳥の子は大きく綺麗に育っていった
やがて季節が一つ過ぎ
そしていつしか年老いたキツネの
世話をするほどになっていた
カラスがやって来て言った
「そろそろ食べごろじゃないのかい?」
*** つづく ***
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