私は私には私とは/こたきひろし
どぶ川に浮かんで漂う人間のクズ
何処かで殺害されてから深夜に運ばれて川に投げ込まれた
と推察された
男には相応しい死に様だった 誰からも同情されないだろう
寧ろ犯人は称賛されるに違いなかった
いずれ誰かに殺されるに決まっていた
ただ自分より先にその誰かに殺されたに過ぎない
だから男の周囲は動機を持ってる奴らばかりだった
こわもてという言い方がある
その存在を周囲が怖れて 機嫌を損なわないように周りが人一倍気を使う様だ
男は冷酷で残忍で自分の欲望に忠実だった
もし 彼が生殺与奪の権利を手に入れてしまったら、気分しだいで人が殺されまくるだろう
無論
男は私の妄想の産物だ
善意とか
良心とか
正義感とか
そんな仮面をかぶって生活している
賢い人間たち
平和で戦争のないこの国
なのに
私のなかの苛立ち
鬱になりそうだ
私は
私には
私とは
不透明な存在である
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