西の畑で/オイタル
だれかが赤いテーラーを回してる
そう思って
少しさみしくなる
ぼくは
白菜を植えようと思うのだが
白菜は僕に植えられて
どうだろう
そう思って
さみしくなる
畑の周りに人影はなく
ロータリーに絡んだ草を
放り投げるしゃがんだぼくの
指先が少しさみしい
ぼくの膝も少しさみしい形にたわむ
そのころに
雨が降り出し
空はゆっくりと分厚い風を動かしてる
低気圧が山の手前で口笛を吹いてやがる
自分の食う白菜を植えようと思って
ぼくは
一人ぼっちに
なってしまった
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