雲をこえて/la_feminite_nue(死に巫女)
貴女のはげしい想いを、
わたしのなかにおとしてください。
わたしのなかできえていった、
なにものかがふたたび息吹をもつように。
貴女の大人らしく澄んだひとみから、
するどい顎(あぎと)のさきをつたって、
しなう枝が小鳥のはばたきとともに、
空をうつように、まっすぐに天へとむかって。
とおくの大海原では、死に絶えたにんぎょも、
心の池の中でなら、命をもつのでしょう?
ヒースのしげみ、剥き出しの小岩、
アベ・マリアをかなでる、教会とその鐘、
鈴を、ならしながらゆく馬車、
わだちを踏んで遊ぶこどもたち、
雪のふる夜
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)