雲をこえて/la_feminite_nue(死に巫女)
 
貴女のはげしい想いを、
 わたしのなかにおとしてください。
 
わたしのなかできえていった、
 なにものかがふたたび息吹をもつように。
 
貴女の大人らしく澄んだひとみから、
 するどい顎(あぎと)のさきをつたって、
 
しなう枝が小鳥のはばたきとともに、
 空をうつように、まっすぐに天へとむかって。
 
とおくの大海原では、死に絶えたにんぎょも、
 心の池の中でなら、命をもつのでしょう?
 
ヒースのしげみ、剥き出しの小岩、
 アベ・マリアをかなでる、教会とその鐘、
 
鈴を、ならしながらゆく馬車、
 わだちを踏んで遊ぶこどもたち、
 
雪のふる夜
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