メディシン・ボトルの中の動脈の色彩/ホロウ・シカエルボク
ない、そしてそこから受け取るものは、特別形になっていなくても構わないものだ、短い夜の中に長い痕跡を残そうとしている、ツクツクボウシが死の予感を巻き取るみたいに鳴いている、その作業には終わりがない、同じフレーズを使っても同じ意味にはならない、なぜなら一度使われたものをもう一度持ってくる時点でそこには別の意図が含まれているからだ、そうして一つの言葉がたくさんの含みを得て行く、言葉は太り、伸び、その身に様々なものをまとわりつかせる、そして吸収していく、ここに並べられているものの中にはそうしてまるで違うニュアンスを含んでいるというものが確かにいくつも転がっている、脳内にはそうした言葉を育てるプラントがあり
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