薔薇の虐殺/
岡部淳太郎
はら
はら
落ちる
散る
風邪をひいた 熱 まだ、散らない
生まれ、愚鈍の、花
さっきまで
五月まで
月までの遊覧飛行、
乱費する、乱舞する、酩酊の船
野原がそれには似合わない
あまりにも
あまり、にも
配られる日
(濁点)
つい、さ、いきんだばかりなのに
翁の顔で桃を洗う
時計を壊しなさい
予定を焼却しなさい、
帰り支度の
疲れた机
消化で、来ない
《棘》
気をつけの姿勢で、橇がたち、
形状記憶合金 の おぞましさ
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