適合/有邑空玖
「下らない、下らない」って 毎日を過ごしてる
26時 救急車が国道を行くよ
赤いシグナルは絶え間なく僕たちを急(せ)かして
「真夜中へ、真夜中へ」って 止まらない速度で
土砂降りの雨だ
君の声が聞こえない
散漫な憂鬱だ
曝け出してしまいたいなあ
何もかも変わらなければ
ずっと一緒で居られるのに
守りたいものも守れないまま
両手には傷だけが増えていく
どんなに強く願っても忘れてしまうから
忘れてしまうから 僕たちは
形のないものなんて信じてない
優しいふりが得意で無邪気
無神経で癇に障る
本当はどれもが嘘なんだよ
正しいことなんて信じてない
「遠くまで、遠くまで」って 空に向かって手を伸ばす
素晴らしい未来を期待してる
掴んでたその腕も曖昧になるだろ
「いつかは、いつかは」って 一体何がしたいの
嘘でも良いから笑ってみせて
離れてしまう影が哀しい
鉄塔の向こうに夏は消えてく
雨はいつか上がるけれど もう
どんなに強く誓っても忘れてしまうから
忘れてしまうから 僕たちは
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