秋の刺繍糸/
丘白月
水草のように雲が漂って
鳥たちはメダカのように
逃げもせず雨の巣で寄り添う
赤とんぼは紅葉の妖精
燃え上がり音もなく去っていく
枝に結ばれたおみくじから
溢れて落ちる希望を拾って
秋の紬車に妖精が座る
空に森にひとすじの光が
糸になって流れていく
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