闇雲に/こたきひろし
ん相変わらず可愛いなって思ってさ」
「心にもないくせに、よく言うわね。本心は分かってるわよ。言いたい事は分かってるの」
「俺はお前の体が心配なんだよ。どうにかなっちゃうんじゃないかって?」
「どうにもならないわよ。大丈夫だから。でもこれ以上言われたら怒るわよ」
「わかった、わかった。もう言わないよ」
俺は煙草は吸った事ない。煙と灰がどうにも嫌いだから。なのに煙草吸う女と一緒になってしまった
巡りあって他人から男と女になった
性に飢えていたし、孤独だったから、相手が欲しかった
それは女も同じだったと思う
いつの間にか気づいたら夫婦になっていた
子供二人出来て
家族になった
ようするに運命共同体になった
煙草ひとつとっても
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