拝啓、君と僕との思い出/都築あかり
この街中の君の残骸を拾い集める。
常に、常に、意識は君なんだよ。
これは僕にしかできない仕事であり、義務でさえあるのだ。
公園、海の見えるカフェ、コンビニ、駐車場、ゲームセンター。
君が死んでしまって、
僕と君だけの記憶は、
僕だけのモノになってしまったね。
君の身長や君の体温などもう忘れてしまったよ、ごめんね。
君はどこかから、こんな哀れな僕を見ているのかい。
それとも、もうそっちで僕なんかより
素敵な男性に魅了されている頃かな。
なんてね、君に届くはずもないので、
声に出すのはやめておくよ。
どうか、そっちでもお元気で。
いつか僕も、そっちへ行った時は、よろしく。
話したい事が両手からこぼれ落ちてしまいそうなんだ。
僕ももうそっちへ行ってもいいかな...
戻る 編 削 Point(2)