晦い花園/la_feminite_nue(死に巫女)
おぼろな夢のような世界の中に、花たちが咲いている。それは花園なのでしょうか。コスモスとか、グラジオラスとか、季節も異なる花たちが、いっしんに一度に咲き誇っている。その中に私はいて、──いいえ、私ではないのでしょうか。私ではなく、私の母親とか、私の恋人とか、私の姉妹とか、そうした者がそこにはいて、花たちを見つめているのでしょうか。コスモスやグラジオラスが、一度に咲く花ではないことを知っています。それらの花たちは、同じ季節に咲く花ではないのです。でも、その花園の中には、コスモスやグラジオラス、ヒヤシンスなどが、まるで等しい世界の中にいるかのように咲いている。そこは重なりあっている世界なのかもしれませ
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