過誤/葉leaf
言葉がはじかれ、どんどん軌道をそれていき、やがて意味を失っていく。絶妙なバランスで高く積み上げられた石積みが崩れ落ち、その音響はいつまでも反響をやめなかった。過誤は自然には存在せず、社会が定義することにより初めて存在する。組織はその存在目的からいくつもの過誤を定義し、組織で過誤を犯すことは人生で過誤を犯すのと等しい憂鬱を生み出す。ここには海の広がりと山の高まりが足りない。波の戯れと植物の絡み合いが欠如している。緩やかな選抜は日々行われ、緩やかに選ばれなかった側に転落していく不安に常にさいなまれている。そう、もはや選ばれなくていいんだ。そんな諦めでも心の平静はやってこない。過誤を語るということ、
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