真っ白い天井/
都築あかり
空。今日がどんな空を
していたのかなんて、
雲の上なんて見えやしないから
僕は知らない。
だから、君も知らないはずだ。
いつの日からか、
大気汚染だとか酸性雨だとか
そういった言葉も
耳にしなくなった。
その存在の希薄さは
僕達そのものなのかもしれない。
今日は部屋の天井を見つめ続けた。
そんな夜が奏でる窓の外、
虫の音と扇風機の音、君の呼吸。
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