虚無/都築あかり
 
あの日誓った言葉も、
新しく宿った生命さえも、
失ってしまった僕らには
何が残るって言うんだろう。

君の傍にいるってことは
毎日のはずだったのに、
そんなことも非日常になるなんて
誰が決めつけていたのだろう。

僕も君も、過去のあの人たちも
ただの他人になってしまって、
それでも時間は巡り巡って、
またこの季節がやってくるね。

君と出会ったのもこの季節で
お別れの日はあの季節で、
永遠にただ永遠に
順繰りに季節は舞ってゆく。

君にそんなことを言ったら
茶化して笑われてしまいそうだから、
そっと心に留めて、
今日もまた季節の変わり目。

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