いとしさ/la_feminite_nue(死に巫女)
 
いとしさ、という最初のことばから始まるもの。
ささやかな4つのかけらによって、
重なりあう多くの想いがふくらみをもつ。
たとえば、い、と、し、さは、
地、水、火、風のようなものであっても良い……
そこにはすべてのおだやかなものが含まれている。
い、は、いつになろうとも変わらないもの
と、は、とびらを叩こうとする優しい手
し、は、しずかに答えようとする無言のことば
い、は、いつかはかならず訪れるであろうもの。
愛しさ、という別のことばのなかには、
すこしの憎しみが含まれている。
無限小ではない、そのちいさな負の感情。
わたしは愛しさということばを使えない、
愛しさというこ
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