記憶/
都築あかり
君と毎日同じ空間に帰ってきた幸せ。
絡めた君のか細い指、
君の面長な輪郭、背中、くびれ、
あれもこれも忘却に葬られてしまう。
きっといつか君の名前だって、
存在だって、忘れてしまう。
ぜんぶ、ぜんぶ。
僕は孤独に溺れて、いつか死ぬ。
人間の記憶なんて、僕の脳みそなんて
所詮その程度のものなのだ。
君も孤独に溺れて、いつか死ぬ。
結局なにもなかったことになって
世界は、地球は、回る回る。
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