感情の極彩/都築あかり
僕達の関係なんて、
たかだか青い春でしかなくって、
赤い糸なんて微塵も感じなかった。
ただそれだけだ。
花が咲いて、風に吹かれて、ただ枯れゆくように、
希薄な儚いものでしかなかった。
それでも、僕達はそれにしがみついて
信じてやまなかったのだ。
ただそれだけだ。
そんなものに感情を揺さぶられ
悲しみ哀しみ憐れむ。
色なんて、目に見えないもので、
ただただそんなものに
呪縛されていた。
解放されて、今僕に何が残るのだろう。
感情なんて色彩でなんか
表せやしないのに。
僕はただの灰色の肉片。
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