<詩「あるなんでもない日」、「白き神の抱擁」、「婚礼」、「カフェ」「君の来る日」、「山城合戦」、「冬.../タカンタ、ゴロキ、そしてパウロ
 
りました。わたしたちも優しい養親になった蒼太郎様のもとで楽しい日々を過ごし
ています。わたしたちの住んでいるところは都会の郊外ですけれど、そのお家は山荘に似た造りで大
きな書斎があります。志岐蒼太郎様は、大学の教授をされているからでしょう、とても難しそうな本
が書棚に並んでいます。でも、子どもにも読める本をあらかじめご用意して下さっていました。その
中でも、ディケンズの『骨董屋』に、わたしたちは泣いてしまいました。

 蒼太郎様は、とても教育熱心で、わたしたちを教師にならせたいみたいです。わたしたちが教師っ
て、自分たちのことながら思わず笑ってしまいそうなのですけれど、お父様の期待に
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