<詩「あるなんでもない日」、「白き神の抱擁」、「婚礼」、「カフェ」「君の来る日」、「山城合戦」、「冬.../タカンタ、ゴロキ、そしてパウロ
 
紅に染めはじめたころ、ふたり
の乗った車が着きました。

 次の日、優香理さんと澄子さんが、メンデルスゾーンの「ヴェニスのゴンドラの歌」の素晴らしい
連弾を聴かせてくれました。誰もが天分を感じざるを得ないものでしたけれども、由梨絵さんも澄子
さんとよく連弾をしてましたね。私はふたりの音の重なりを今、心の中で聴いています。でも、やは
り、ここでその素敵な演奏風景を再び観たいとの思いが高まるばかりです。

 佑之輔さんは、六月の初めに大学に帰りました。でも、優香理さんは施設にあとしばらく残るよう
です。もともと、物静かな方でしたけれども、以前とくらべて考えこむことが多くなったような気
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