【 遺愛 】/
豊嶋祐匠
人が
愛を与えるために
生まれて来たのだとしたら
愛を
強く
強く
与えることが
天命を
決めてしまうことに
なるのだろうか
そして
尊き愛を
残すため
儚き愛を
教え伝えるために
最愛である者の
目の前で
逝くことが
人の唯一の
宿命なのだと
言うならば
私は
人として
生まれたことを
ただ
ただ
深く、後悔するばかりなのです。
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