雨の日/都築あかり
 
ぬるい雨粒が
わたしの存在なんか、
なかったことのように
重たい空から落ちてくる。

反射した空想世界を生み出す
水たまりを作っているね。

そこにわたしの姿は見えるの。
君の姿も見えるの。

鼓動と雨音はリズムを共鳴して、
今日も命を削りゆく。

それでも季節は巡り巡って。秋。
戻る   Point(3)