ミズヒキの妖精/
丘白月
渡っておいでと
蜘蛛が思いを架ける
妖精がつま先で歩き
綱渡りの花が灯る
ススキの穂は
静かに月に燃えて
青白く蜘蛛の糸のよう
明日の十六夜に
言い出せない思いを
堅く結んでしまいたいほど
赤い花が躊躇いがちに
糸に引かれている
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