桑の妖精/丘白月
 

虫の音もいつしか消えて
静かな夜明けはシルクの波
マルベリーの光が溶けて
窓から流れて部屋を溢れていく
ララベリーの大きな羽根が
誘うように天井で私を待つ
夢の中にいるように
ゆっくりゆっくりと
手を伸ばして笑顔を交わす


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