趣味で詩を書いてるなんて/こたきひろし
 
思いつくと
手当たりしだいどこにでも書いてしまう癖がなおらなかった
ノートは勿論の事
教科書の余白
新聞の折り込みちらしの裏側の白紙
左の手のひらの上にも
さすがに紙幣には書けなかったけれど

いつも何の前触れもなく
空から詩が降ってくるもんだから
それをこころよく受け止め
受け入れなくてはいられなかった

でもね、それは過去の話
俺がまだ若かりし頃
現在はスマートフォンっていう便利なものが現れて
空から降ってくる詩を手当たりしだい受け止めてくれる

ある日
イオンモール内の書店で
文庫本の頁をぺらぺらと捲っては閉じていたら
背後から声をかけられた


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