詩四編「あるひとによせて」、「木」、「春」、「新鮮なあなた」/ビショプ
愛する妻に捧ぐ。
あなたは少なくともわたしの命を救ってくれた。
「あるひとによせて」
神は聞く
いかに生きるべきかと
あなたに逢うた時、わたしは心うたれた
なんと可憐なひとであったことか
高貴な家柄よりもあなたの愛は尊いと思う
時は過ぎゆく
手のひらの雪のような口づけと
青春の儚さを乗せて
神は、あなたに創造の粋をたくされた
あなたにすべてを捧げよう
神は聞く
いかに生きるべきかと
「木」
わたしは木に触れた
樹液に濡れた木
細い枝
瑞々しい若葉
もうすぐ木は花咲くだろう
今は春なのだから
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)