詩四編「あるひとによせて」、「木」、「春」、「新鮮なあなた」/ビショプ
 
愛する妻に捧ぐ。
あなたは少なくともわたしの命を救ってくれた。

「あるひとによせて」

神は聞く

いかに生きるべきかと

あなたに逢うた時、わたしは心うたれた

なんと可憐なひとであったことか

高貴な家柄よりもあなたの愛は尊いと思う

時は過ぎゆく

手のひらの雪のような口づけと

青春の儚さを乗せて

神は、あなたに創造の粋をたくされた

あなたにすべてを捧げよう

神は聞く

いかに生きるべきかと

「木」

わたしは木に触れた
樹液に濡れた木
細い枝
瑞々しい若葉

もうすぐ木は花咲くだろう
今は春なのだから

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