山羊座/丘白月
 


シュメール語を話す妖精
秋一番の星座を見上げて
想い出を露草に語りかける
山羊座が冬至点だった頃の
遠い昔の想い出を
星座のおとぎ話を

人魚の薬を飲んだ仔ヤギ
神のいたずらで
尾びれだけつけられ
恥ずかしそうに
河を泳いで天に駆け上がる
南の夜空に星を並べて
ススキの穂を敷き詰め
海王星を枕に眠る

バビロニアの子と遊んだ
乾いた硬い土の国
枯れた井戸に命を半分入れて
干し草の種を一緒に蒔いた
夜空の山羊座もほら
あの草を食べてる
もうあれからどれだけ
夜空を旅をしたかしら


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