自称詩人、襲撃!!/花形新次
自称詩人NAMIAMこと無職古見義明(34)が
文芸出版社にガソリンを入れた容器を
台車で運び込もうとして逮捕された
逮捕時古見容疑者は周囲に「俺の自称詩がパクられた」
と叫んでいるところを目撃されている
その後文芸出版社からは
自称詩人NAMIAM名義の自称詩が一編見つかった
この文芸出版社の自称詩幻想大賞への応募作だった
「琢二」
濡れ落ち葉に
悲しみと哀れみが
染み込む季節
世界は自分の中にある
強気を崩さないまま
いつもの通り
アイリッシュバーで
ジンを舐めていたブタジ
夜の帳が下りた頃
ブタジはもう酔っていた
「ケイティ、お前の胸は
まるで板チョコだ・・・・・
いや、チョコレート色は乳首だけだが」
サンキュー、ドライマティニを一杯奢るわ、ブタジ
「マティニか、マティニには早すぎる
カシスサワーが欲しい」
「それと、俺はブタジじゃない
タクジだ」
OK、ブタジ
カシスオレンジね!
「・・・・・・・・・・」
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