悪魔の囁き/こたきひろし
 
悪魔の囁きをきく事がある

言うよりか
私の正体そのものが実は悪魔で
普段は人間の囁きに耳を傾けながら
生活していると言うべきなのかも
しれない

当然
私の中では
たえず悪魔と人間が絡み合って
辛味あっていたりするのだ

具体的に
それを文字にしてしまうと
私の人間性は著しく損壊していると見なされ
社会から排斥されかねないので
保身と保守を優先している

私は私の女体の卑猥を隠避するために
清楚と清潔を絶やさず
化粧を欠かさない

私は
美しいケモノになっている
優秀な遺伝子に狩られる為に

ああ娘よ
成長したお前を直視できない俺は
上に掲げた詩の一編に
お前を括ろうとしている

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