幸恵さんへの手紙/コタロー
も描かれたら嬉しいのですけれど、詩織さんとあ
たしの部屋の造りはそっくりで、窓は海に向いていて、だから窓を開けると海が初夏の香りを運んで
きます。今は、秋から冬にかかる季節ですけれども、いつも春から夏に変わる頃の匂いがするのです。
数日前には、詩織さんにお茶に招かれました。いろいろと楽しくお話をしたのですけれども、そこ
でわかったことは、彼女が明朗で、あたしを真綿で包んでくれるような優しい娘さんだということで
す。しかも、彼女はとてもあたしが気に入ったようすで、「あなたが好きよ」と言って手を握った後、
頬擦りをしてくれました。
弟夫妻も遊びに来られました。
弟さんもその
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)