かなしみのふち/次代作吾
 
覆水盆に返らずなんて言う
盆があるだけ良い
あわてて水を掬いにいったら
盆を膝で割ることもある
かなしみのふち

小さなことが気になって
大きなことがどうでもよくなって
大きなことに気分が悪くなって
小さいことにつまづいて
かなしみのふち

常に落下しているとしたら
今いるこの一点はふちになる
やじろべえ

ぜんぜんうまいこと言えてない
詩になっていかない
そうゆうふちで
かなしみはポケットから
はみ出してるぐらいのもので
あんまりたいしたもんじゃない

そうゆうかなしみのふちで
鏡を見て
変な顔をしてみたり
お酒を飲んで
換気扇の下でおどったり

動くなぁって
動いてるなぁって

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