末摘花の妖精/
丘白月
もうあの日の子供ではない
単衣が似合う長い髪
妖精がつけてくれた紅
御簾の外は月明かり
私は繰り返し和歌を詠み
あなたに渡すつもり
裏の紅に触れるかしら
吹き消した蝋の匂いも煙も
巻き上げた御簾から
恥ずかしそうにゆっくりと
私と一緒に流れていく
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