コンコルド広場の妖精/丘白月
 
パリの妖精
第4話「コンコルド広場の妖精」



学校帰りにマカロンを買う子供
笑い声が風のように過ぎていく

一緒に遊んで欲しそうに
妖精が肩の横で飛んでいく

遠くにエッフェル塔が見える
ベンチに座る手にはマカロン

もうあの子達は子供ではない
妖精の姿はみえやしない

妖精と話した遠い日々はもう
記憶のずっと底に閉じたまま

ああ私はいつまで子供なの
数えきれない夕日が怖い

戻りたいもう一度
エッフェル塔が無い頃に
ずっと昔に家が一つも無い頃に

もう一度広い荒野に花一輪
そうだひまわりの種を蒔こう
私の姿を見てくれた黄昏に



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