「黒い果実」の詩人に /服部 剛
 
した 

――戦地の記憶を胸に 
  「黒い果実」という詩集に封じた 
  あの日の叫びが 
  時を越えて天から地へと吹き渡る 
  風になりますように 

向かいのビルの窓硝子に、映り 
ゆらめく太陽も 
すでに姿を消して 
みなとみらいのビルの明かりは 
あちらこちらに…灯り始める 

八月の太陽が沈む前に 
両手を合わせる 
平和への祈り 

令和の時代の夕空へ 
吸い込まれる  





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