静 物/塔野夏子
 
わたしという器に
一塊のさびしさが盛られている

それは
昏い色をしているのだが
光の当たりようによっては
時に
ほのかに真珠光沢を帯びる箇所があったり
ほのかに虹色を帯びる箇所があったり

ところで わたしは
この一塊のさびしさを容れている器なのだが
とすると このさびしさを
描写しているのは
誰 なのだろう






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