颱風と怪獣/北村 守通
さぁ、どうする、というときに台風が上陸する。主人公たちは台風の力によってバルンガがどこか遠くに運ばれることを願うのだが、なんとこのバルンガ、台風のエネルギーさえも吸収してさらに巨大化してしまうのだ。最終的にバルンガは人工太陽を打ち上げることによって、それを追って移動を始め地球圏を離れることになる。このように台風という地球自身の力すら吸収してしまう怪獣というのはこのバルンガが最初で最後であっただろうといえる。もちろんそれはバルンガが宇宙生物であり、一個の生物であれども小型の惑星を凌駕しうるという、宇宙という可能性の巨大さの表れでもあるのだが、この発想の大きさは私を大きく驚かせた。
バルンガの
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