夏の秘め事/長崎螢太
 
朝雨に濡れたアスファルト黒々と
道端の蝉夢を観ている


砂浜にポツンと置かれたサイダーの
ビンから透けた夏が去りゆく


階段にカサリと落ちてる抜け殻を
ポッケにしまう夏の秘め事


乱れ髪銀河のようだねキラキラと
月のひかりにそっと口づけ
 

ふたりは眠る終電の
並んで揺れるつり革に見守られて


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